スマートガバナンスCEOの羽深宏樹が、高度な生成AIを巡るG7によるルール形成枠組である「広島AIプロセス(HAIP)」と「包括的政策枠組み」とについて、その到達点と意義、今後の展望について詳細に分析した論文を米国シンクタンクCSISのウェブサイトで公表しました(2024年5月24日付)。◆ Shaping Global AI Governance: Enhancements and Next Steps for the G7 Hiroshima AI Process◆ PDFダウンロードはこちら本稿では、民主国家のリーダーであるG7によるルール形成の到達点を詳細に分析し、今後の発展に向けた提言を行っています。概要は以下の通りです。民主的リーダーとしても経済的リーダーとしても世界で非常に大きなインパクトをもち、AIに関する世界の主要な国際合意(AI条約、ブレッチリー宣言等)にも参加しているG7が、高度なAIモデルに関するガバナンスの枠組について合意した意義は大きい。(FIGURE 2:The Global AI Governance Landscape)特に「広島AIプロセス包括的政策枠組み」として策定された「高度なAIシステムを開発する組織向けの広島プロセス国際行動(HCOC)」における各原則と、G7各国が現在公表している規制やガイダンスの内容を照合すると、両者が非常によく整合していることがわかる。そのため、このフレームワークは、各国で検討中のハードローおよびソフトローにおいて今後の共通の参照フレームワークとなり得る。もっとも、現状のHCOCはまだ具体性を欠いており、具体的な行動に落とし込めるものではない。とりわけ、以下の点について今後議論を進めることが重要と思われる。共通の用語の調整: AI関連の用語や定義に一貫性を持たせることで、国境を越えた円滑な規制実施とビジネス部門の協力を促進する 。強固なリスク管理フレームワークとリスクベースの分類の開発: AIシステムのライフサイクル全体にわたるリスク評価と軽減策について、明確なガイダンスを提供する。調和のとれたステークホルダーエンゲージメントの促進: ステークホルダーとの連携や、一貫した透明性基準を設けるための協力的なアプローチを奨励する 。民主主義と人権原則の強化: AI開発において、民主的価値と人権を擁護するためのより具体的かつ実践的な措置を提供する 。さらなる検討領域の追求: 政府によるAI利用に関する特別な配慮、規制慣行の調和(認証や監査の仕組み)、AIエコシステム内の責任分担、AIによる被害に対する救済措置の確立といった重要な領域を探求する 。